古代ローマがやって来る。|世界遺産ポンペイの壁画展

日伊国交樹立150周年記念|2017 1/21 SAT.~3/26 SUN.|山口県立美術館

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2000年の時空を越えて甦る古代ローマ

紀元 79年、火山の噴火によって忽然と消えた古代都市ポンペイ。18世紀に発掘が始まると、人々はこの「奇跡の街」に衝撃を受けました。数メートルにも及ぶ火山灰の下に眠っていた古代ローマ人の暮らしが、整然と区画された街並みとともに、突如、姿を現したのです。「古代を封印したタイムカプセル」とも呼ばれるポンペイの発掘品の中でも、とりわけ人々を魅了したのが、美しい壁画の数々でした。表情豊かな神々や心休まる自然の風景、愛らしい動物たち。室内の壁に直接描かれた色鮮やかな絵画が、私たちに、古代ローマ人の楽しみや美意識を直接に語りかけてきます。
このたびの展覧会では、ポンペイ壁画コレクションの双璧であるナポリ国立考古学博物館とポンペイ監督局の貴重な作品の中から、ローマ帝国の繁栄と人々の豊かな生活を伝える壁画50点を厳選し、その魅力を紹介します。2000年の時を越えて輝きを放つ古代ローマの美を心ゆくまでご堪能ください。

世界でもっとも有名な世界遺産、ポンペイ

ポンペイの地図
古代ローマの街ポンペイは、地中海貿易の中継地として繁栄していました。通りにはローマの神々を祀る神殿や円形闘技場、劇場、テルマエ(公共浴場)など壮麗な建築が立ち並び、ヴェスヴィオ山の噴火によって消滅するまで、12,000人の市民と8,000人の奴隷が暮らしていました。
偶然の発見からポンペイの発掘が始まったのは1748年のこと。1997年には「ポンペイ、エルコラーノ、トッレ・アヌンツィアータの遺跡地域」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に認定されました。以来、古代ローマの威光を現代に伝える「タイムカプセル」として、世界中の人々を惹きつけています。

消滅した古代都市

地中海に面した風光明媚な南イタリアの小都市、ポンペイ。豊かな土壌と自然の良港に恵まれたこの街では、農園経営や貿易で富を築いた人々が、邸宅をお気に入りの壁画で飾り立てていました。しかし、繁栄の絶頂を迎えようとしていたまさにその時、ポンペイは歴史から忽然と姿を消したのです。

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《赤い建築を描いた壁面装飾》のイメージ

《赤い建築を描いた壁面装飾》前1世紀後半 ボスコレアーレ、考古遺物収蔵庫蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo

18世紀に再発見 驚きの描写技術

永い眠りの果てにポンペイの壁画が再び地上に現れたとき、学者たちはその技術の高さと遠近法の正確さに驚愕しました。まるでホンモノの建物がそこにあるかのようなリアルな表現は、2000年前の絵画とは思えません。

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娯楽三昧、享楽の日々

古代ローマでは、午前中に仕事を終えるのが常識。午後は余暇の時間です。温泉好きで知られる古代ローマ人ですが、テルマエ(公共浴場)以外にも古代ローマには娯楽が充実していました。なかでも一二を争う人気を誇ったのが戦車レース。2000年前の人々も、贔屓のチームを熱心に応援し、勝敗に一喜一憂したのでしょう。

《戦車競走》のイメージ

《戦車競走》後1世紀後半 ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo

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《踊るマイナス》のイメージ

《踊るマイナス》後1世紀後半 ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo

舞い、踊る神々

紀元1世紀頃のローマ世界は多神教でした。主神ユピテルを頂点とする多くの神々のなかで、ポンペイで特に人気があったのが酒神ディオニュソス。ワインの産地だったポンペイならではです。ディオニュソスに付き従うマイナスが優雅に舞う姿からは、人生を謳歌した古代ローマ人の大らかな気質が感じられます。

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  • 《犬のシュンクレトゥス》のイメージ

    《犬のシュンクレトゥス》後1世紀  ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo

  • 突如奪われた日常

    予期せぬヴェスヴィオ山の噴火によって消滅したポンペイ。家族や友人と過ごす何気ない日常が、その姿のまま、ぶ厚い火山灰に埋もれてしまったのです。発掘された壁画には、愛らしい動物や選挙ポスターなど、庶民の生活が垣間見られるものもありました。中には「シュンクレトゥス」という名前が書かれた犬の壁画も。主が可愛がっていた犬を写真代わりに描いたのかもしれません。

古代の選挙ポスター「ホルコニウス・プリスクスに清き一票を!」

《選挙広告の書かれた壁面》のイメージ

《選挙広告の書かれた壁面》後50–79年 ボスコレアーレ、考古遺物収蔵庫蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo

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ポンペイ最期の日

紀元79年8月24日午後1時

《ポンペイ遺跡から望むヴェスヴィオ山》のイメージ

ポンペイ遺跡から望むヴェスヴィオ山

天地を揺るがす轟音とともに、街に熱風が吹き荒れました。突然の天変地異に慄く人々。その眼に映ったのは、巨大な火柱を吹きあげるヴェスヴィオ山の姿でした。噴石が雨のように降り注ぎ、真昼の街は瞬く間に闇に閉ざされました。火山灰が眼を覆い、肺を塞いでいきます。そして逃げ惑う人々を、火砕流が容赦なく飲み込んでいきました。やがて山の麓に広がる美しいブドウ畑やオリーブの樹林も火山灰に埋もれ、ポンペイは永い眠りについたのです。時が経つにつれて、滅びた古代都市は人々の記憶から消えていき、やがて「ポンペイ」という街の名前も忘れられてしまいました。かつてポンペイがあった場所はいつの間にか「チヴィタ(街)」と呼ばれるようになります。しかし人々はその意味するところを知りませんでした。人類の歴史から消えたポンペイ。その街並みが再び地中海の陽光を浴びたのは、ヴェスヴィオ山の噴火から、実に1700年後のことでした。

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日伊国交樹立150周年記念世界遺産 ポンペイの壁画展LA PITTURA PARIETALE ROMANA A POMPEI

 

2017年1月21日(土)〜3月26日(日) 山口県立美術館

[開館時間]9:00〜17:00(入館は16:30まで)

[休館日]月曜日※ただし2月6日・3月6日(ファーストマンデー)、3月20日(月・祝)は開館

[観覧料]一般 1,300(1,100)円/シニア・学生 1,100(900)円/18歳以下無料

◎コレクション展セット券〈当日券のみ〉 一般 1,400(1,200)円/学生 1,200(1,000)円

  • 皇帝に捧げられた奇跡の絵画

    日本初上陸!

    《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》後1世紀後半 ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini /fotografo

    絵画のサイズ|高さ218cm|幅182cm|厚さ35cm|重さ約500kg

  • ポンペイと並ぶ古代ローマの遺跡、エルコラーノ。ヴェスヴィオ山の噴火で埋没したエルコラーノもまた、海沿いのお洒落な保養地でした。しかしそこで発見された壁画は、ポンペイの邸宅で見つかったものとは次元の異なるものでした。エルコラーノで出土したのは、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスを祀る神殿「アウグステウム」。その壁面を飾っていたのは、当時の文化、教養、技術の粋を集めて描かれた、まさに古代ローマの至宝と呼ぶべき絵画だったのです。

《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》のイメージ

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