II. 聖母マリアと聖女

ヨーロッパの絵画にはキリスト教の主題をもとにした作品が多く、なかでも聖母マリアは多くの画家たちの手によって繰り返し描かれました。本来は礼拝の対象だったマリア像ですが、次第に母親としての人間的感情が強調されるようになり、やがて理想の女性像あるいは母性の象徴として表現されるようになります。幼子イエスを見守る聖母マリアの眼差しは、うっとりするような優しさと気品にあふれています。

《聖母子と聖カタリナと天使たち》

《聖母子と聖カタリナと天使たち》
カルロ・マラッティ
ジュゼッペ・バルトロメオ・キアリ
17世紀後半-18世紀前半

《聖母子》

《聖母子》
ルーカス・クラーナハ(子)
16世紀