第一章 松崎天神縁起絵巻の世界

松崎天神縁起絵巻
《松崎天神縁起絵巻》鎌倉時代/応長元年(1311)
重要文化財
巻二 突然の左遷が決まり、自邸の紅梅に別れの歌を詠む道真

「天神縁起絵巻」とは、菅原道真の波乱の生涯と、京都・北野天満宮創建の由来(縁起)、そして天神のご利益話(利生譚)を表した絵巻のことをいいます。
防府天満宮所蔵の「松崎天神縁起絵巻」は、この「天神縁起絵巻」の基本形に、松崎天神(現在の防府天満宮)の創建由来を語る独自の一巻が加えられた作品で、他の天神縁起絵巻とは一線を画す存在となっています。
本展では、鎌倉時代に制作された原本[鎌倉本]と、室町時代にこれを写した副本[室町本]を合わせて展示し、この絵巻の全貌を紹介します。
全六巻、三十八場面、全長約七十五メートルからなる「松崎天神縁起絵巻」の全容を、じっくりとご覧下さい。

第二章 防府天満宮の信仰と歴史

大日如来坐像
《大日如来坐像》
平安時代/11世紀
重要文化財

防府天満宮の歴史は、山口を治めた歴代の有力大名や、庇護者達との関係なくして語ることはできません。奉納された品々からは、それぞれの時代に応じた、彼らの篤い信仰心がみえてきます。第二章では、各時代の人々にまつわる宝物を通して、連綿と続く防府天満宮の信仰と歴史を辿ります。

第三章 描かれた天神さま

束帯天神像
《束帯天神像》
雲谷等顔筆
江戸時代/17世紀

天神さまはもともと菅原道真という実在の人物であったため、そのお姿を描いた絵「天神像」もまた、平安の学者、政治家の正装姿を表現した「束帯天神(そくたいてんじん)」と呼ばれる姿を基本として形作られてきました。
そして時代を経るにつれ、その姿は多種多様に広がりを見せます。今日における「学問の神」としての姿は、実はこうした中の、ごく一面に過ぎないのです。
第三章では描かれたさまざまな天神像を通して、千年以上の間、人々の心に抱かれてきた、多彩な天神さまのイメージを紹介します。