コレクション特別企画展 没後40年 シベリア・シリーズと香月泰男展

2014年4月17日(木)~5月6日(火・祝)

山口県立美術館

展示案内

着想から完成まで
―原画から探るシベリア・シリーズ

展覧会では、香月が体験した時間軸にそってシベリア・シリーズをご覧いただきます。併せて、完成作のもとになったと思われる素描や関連資料を展示し、着想から完成に至るまでのシベリア・シリーズの造形的な変遷をご紹介します。

《ホロンバイル》 

まるで抽象画のようにも見える作品ですが、素描を辿っていくと、それが砂漠で徐々に風化していく人間や動物の骨であることがわかります。現実に骨が風化していく様子と、モティーフの無駄な要素をそぎ落とし、極限まで形を単純化、抽象化する香月の絵画的手法が重なって、シンプルかつ深みのある効果をあげています。

〔《「ホロンバイル」関連素描》1959年頃 山口県立美術館蔵 《ホロンバイル》 1960年 油彩×カンヴァス 山口県立美術館蔵

《1945》

素描では、3種類の表現で皮を剥がれた人体を描いており、それぞれが異なる印象を与えます。また、完成作では削除されていますが、二段目と三段目の素描には、画面上から降りる手のようなものが描かれており、完成作とは異なる着想があったことが窺われます。

《「1945」関連素描》 1958年頃 山口県立美術館蔵、《1945》 1959年 油彩/カンヴァス 山口県立美術館蔵

《避難民》

最初のイメージでは、覆いのない貨車に避難民が横に並ぶ構図でしたが、シートで彼等を覆い、顔を三角形に何段も積み上げることによって、狭い貨車の密集した状況が巧みに表現されています。

 《「避難民」関連素描》 1959年頃 山口県立美術館蔵《避難民》 1960年 油彩/カンヴァス 山口県立美術館蔵

《青の太陽》

アリになって地底に潜り、そこから青空を見る、という香月のイマジネーションから生まれた《青の太陽》。完成作では地底の穴から覘く青空を強調した構成になっていますが、素描の下半分にはアリの姿が描かれており、最初のイメージがより忠実に絵画化されています。

《「青の太陽」関連素描》 1968年頃 山口県立美術館蔵、《青の太陽》 1969年 油彩/カンヴァス 山口県立美術館蔵

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